Mリーグを観ていると、「この人の麻雀は何か違う」と感じる瞬間があります。同じ牌姿を前にしても、選手によって選ぶ一打がまるで違うからです。勝つための最適解はひとつではなく、そこに選手それぞれの哲学や経験、そして人柄がにじみ出ます。
Mリーグは2018年の開幕から回を重ね、2026-27シーズンは10チームでの戦いとなっています。新しい選手が加わって新風が吹き込まれる一方で、長くリーグを支えてきたベテランたちも健在です。今回は、そんな個性豊かなMリーガーの中から5人を取り上げ、打ち筋と魅力を紹介します。観戦の参考に、そして「推し」探しのきっかけにしてみてください。
攻めの美学を貫く「佐々木寿人」
攻撃型の代表格といえば、KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人選手です。リーチをかけたら引かない、高打点を狙って前に出る。その姿勢は、麻雀ファンの間で広く知られています。開幕当初からチームの顔として戦い続けており、Mリーグの歴史とともに歩んできた選手のひとりです。
攻めの麻雀は、うまくいけば一気に流れを引き寄せる大逆転劇を生みますが、ひとつ間違えれば大きな失点にもつながります。それでも自分のスタイルを曲げずに戦い続ける姿は、結果以上に観る者の心を揺さぶります。
観戦のポイントは、配牌やツモが整っていない苦しい局面です。守りに回ってもおかしくない場面で、あえて勝負に出る。その一打に「なぜ前に出たのか」を想像しながら観ると、攻撃型ならではのスリルを何倍にも味わえます。ハマった時の爆発力は、Mリーグの中でも屈指の見どころです。
勝負の流れを読み切る「多井隆晴」
渋谷ABEMASの多井隆晴選手は、状況に応じて攻めと守りを自在に切り替える柔軟さが持ち味です。ただ強いだけでなく、解説や配信でも麻雀の面白さをわかりやすく伝えてくれるため、初心者から上級者まで幅広いファンに支持されています。
特に注目したいのは、トップ目に立った時の戦い方です。リードを守りきるのか、さらに突き放しにいくのか。点数状況、残り局数、相手の顔ぶれなど、さまざまな要素を見たうえで選択が下されます。その判断の理由は、解説を聞くとより深く理解できます。
「なぜこの一打なのか」を知ると、観戦の楽しさは一段と広がります。麻雀は結果だけでなく、その過程にこそ面白さがある競技だと実感させてくれる選手です。
局面ごとの判断が光る「茅森早香」
セガサミーフェニックスの茅森早香選手は、2018年の開幕からフェニックスに在籍する、チームを長く支えてきた選手です。手牌の状況や場の流れを見ながら、攻めるべきところと引くべきところを見極めていく打ち筋は、じっくり観るほど味わいが増していきます。
長いシーズンでは、手が入らない日や展開に恵まれない日が必ずあります。そうした時にどれだけ失点を抑えられるか、そして来たチャンスをどれだけ逃さず形にできるか。この積み重ねが、最終的な順位に大きく響いてきます。派手な一撃だけでなく、一局ごとの細かな判断に注目すると、トッププレイヤーの技術が見えてきます。
対局中の表情や仕草にも、その時の手応えや緊張感が表れます。打牌の選択と表情を合わせて観ると、画面の向こうの勝負がぐっと身近に感じられるはずです。
理論と感性の融合「白鳥翔」
同じく渋谷ABEMASの白鳥翔選手は、緻密な牌効率と状況判断で知られる理論派です。その一方で、勝負どころでは大胆な選択もできる柔軟さを備えています。
麻雀にはセオリーと呼ばれる定石がありますが、それを熟知したうえで、あえて外す場面があります。その瞬間に「やはりプロは違う」と感じさせてくれるのが、白鳥選手の麻雀の面白さです。理論に裏打ちされているからこそ、その例外には説得力があります。
初心者の方は、まず白鳥選手のような理論派の打牌に注目してみるのもおすすめです。基本に忠実な選択が積み重なって、どのように勝ちにつながっていくのか。麻雀の奥深さを知るきっかけになります。
麻雀の枠を超えて愛される「岡田紗佳」
KADOKAWAサクラナイツの岡田紗佳選手は、モデルやタレントとしても活躍しています。麻雀に真剣に向き合う姿と、番組や配信で見せる素直な表情のギャップが、多くのファンの心をつかんでいます。
悔しさや喜びを隠さず表に出す姿は、観ている側の感情も大きく動かします。劣勢の局面で粘り強く戦う姿や、逆転して見せる笑顔には、思わず応援したくなる魅力があります。
「麻雀はよく分からないけれど、この人を応援したい」という入口から、気づけば深い麻雀ファンになる人も少なくありません。人柄から入って競技にのめり込む。そんな楽しみ方ができるのも、Mリーグならではです。
推し選手を見つけると、観戦はもっと面白くなる
ここまで紹介してきたように、Mリーグの魅力は強さだけではありません。攻める人、守る人、読む人、感性で打つ人。同じ競技とは思えないほど打ち筋が違います。だからこそ、自分の好みに合う「推し」を見つけると、一局一局の見え方が大きく変わります。
最初は見た目や雰囲気、チームのカラー、人柄など、どんなきっかけでも構いません。気になる選手を決めて観戦すると、その人の選択に一喜一憂するようになり、気づけば麻雀そのものへの理解も深まっています。ルールの細かい部分がわからなくても、推しの表情や仕草を追いかけているだけで、十分に楽しめます。
また、シーズンごとにチームの顔ぶれが変わるのもMリーグの面白さです。ドラフトで新しい選手が加わり、チームの色が少しずつ変わっていく。その変化を追いかけるのも、長く楽しむためのコツです。


